まだ30代美容師の悩み。このまま残るか、独立か、転職か、、、こんな悩みを持っている美容師さんはたくさんいると思います。自分の失敗談を恥ずかしながら綴り、皆さまに少しでも参考になれば幸いです。
30歳でまずだれもが考える『独立』
私も考えました。30歳という節目でみんなが考える『独立』です。30歳ってなんなんですかね?ふと立ち止まって冷静に自分の今後を考えてしまう。。。不思議です。
美容師の30歳って大概はそこそこ技術はあるし、教育もできて、売り上げもそれなりにあると思うんです。人によっては何かしらの役職についていると思います。店長、マネージャーあたり。
でも何となく漠然と不安がこみ上げて来ました。このまま歳を重ねて今の地位で落ち着けばいいか、、、いやでも40、50歳になった時、俺のポジションてあるのかな、、、
そんな思いを抱きつつ現状には不満はないし、何となくすごしていました。。。
何となく過ごすと転機を逃す
現状に特に不満も無く過ごしていた時に転機が訪れるのです。私は29歳くらい。当時スタッフは10人くらい。そのうちの1番のトップ(わたしは当時ナンバー2)が独立する事になったのです。しかもナンバー3を引き連れて。
その時私も一緒に来ないか、と誘われました。正直まったく独立なんて考えてもいなかったので戸惑いましたが、その場で一緒に独立することに決めたのでした。
もちろんオーナーにはすべての準備が整ってから、ギリギリで辞意を伝えて辞めても困らないようにする段取りでした。
お客様にも周りのスタッフにはバレないように独立の旨をお伝えして新しいお店に来てもらうように手を回していました。
しかし、、、私は突然、その『独立』の話から抜けることになります。
めちゃくちゃ行きたい気持ちはありました。が、『もし3人抜けたらお店が潰れて後輩たちが困ってしまう、、、』『独立しても本当に成功するのか、、、』などの思いが日に日に強くなっていきます。
なんとなくだと怖くなる!
まー、要はおじけづいたのですね。他2人の意思は固く、私が抜けてもそのまま計画を実行に移し独立しました。
結果論ですが、あの時もう少ししっかりと先のことや自分自身の人生をほんの少し深く考えていれば結果は変わっていたと思いますし、罪悪感を感じるのが嫌ならしっかりと筋を通して辞める事も出来たはずです。
思いがけずトップになってしまって、、、
さて2人が抜けたダメージはお店にとってあまりにも大きく、、、正直残ったことを後悔していましたし、独立した2人を恨んでさえいました。(自分も途中まで仲間だったくせに)
しかし、やるしかありませんし、当時私は子供も生まれたばかりでしたから、会社に残ったほうがまだ安定している!という思いがありました。
なによりナンバーワンが抜けたことにより私がトップになったのですからそれもあって安泰だろうという想いと後輩たちを何とか育てて立て直せば大丈夫!という考えでした。
ここでも、今思えば『自分がなりたくてトップ』になった訳ではなく『たまたま上がいなくなりトップになってしまった』ということに気付かずのうのうとまだ過ごし続けていたということです。
崩壊はあっと言う間に、、、
ここらへんから崩壊への歯車が回り始めていたのでしょう。
まず私が店長になり半年後にスタイリストの女の子が妊娠。とても喜ばしい事なのですが、それを機に退職してしまいました。お店としてはまた退職者が出てしまったことの方がダメージが大きく、ろくにお祝いしてあげる事も出来ませんでした。
美容業界を知っている方はわかると思いますが、産休、育休をとらせてあげれる会社の体力は中小規模の美容室には当然ありません。
まさか、、、お前まで、、、
その1年後、私の直属の部下(この時点でナンバー2)が『将来の不安、子供も産まれてこのままではダメだ』と言いだし、必死に引き止めた甲斐もなく美容師を辞め他の職に移ってしまったのです。
このスタッフは私が一番可愛がっていたスタッフでもあったのでとてもショックでした。お店にとっても大打撃なのは言うまでもありません。
でもどこかで『お前だけは辞めないだろう』と変な自信を持っていて、彼の不安な気持ち、本心に向き合っていなかったのを今になって感じています。
結局、『今のままでいいや』とか『自分の保身』の気持ちが伝わっていたのかも知れません。
そしてその連鎖でもう1人辞め、結局4人になってしまいます。
裏切られ、人を教育する事が無意味に思えてくる
たかだか2年くらいの間にこんなにも人がいなくなり、状況が変わることなんてあるんですね。もう半分信じられない気持ちでした。
そして、自分の中に1つの答えが出ました。『教育して育てても無駄』だと。最初に独立を誘われて断ったのも、どこかで『後輩を見捨てては行けない』という思いがあったから土壇場でついて行くのをやめたのです。
こいつらの為に残ってやってきたのになぜ??なんであの時『自分を優先』させなかったのか?という後悔の念が再びわいてきました。
そして旨い話がさらに考える力を奪っていく、、、
4人になり、それぞれが前を向いて何とかお店は成り立っている状態になりました。ここから快進撃が始まったのです!とはなりません。
ちょうど4人だけになった頃に『お店の買収』の話が持ち上がります。待遇面で提示された条件は今の待遇よりかなり良く、みんなで「報われたんだ!」と喜びました。
給料面でも1.5倍、福利厚生も一般企業なみ、お休みも完全週休二日が提示されたのです。そりゃー誰だって喜びますよね。
完全に手放しで喜び、自分たちで考えるのをやめてしまいました。だって今と同じ事をしていればいいだけなのですから。
そして、1年が過ぎ、2年が過ぎ3年が過ぎてもその買収の話は一向に前に進まず、まとまりませんでした。
普通なら1年過ぎたあたりで気づく事なんですよね。「あれ?なんかおかしいぞ、、、?」と。しかし、思考停止してしまった私はなんの疑いも持たずに時が過ぎるのを待っていたのです。
気付いた時にはもう遅い
周りの人たちから何度も言われましたよね。「その話大丈夫?怪しくない?」そらそうです。今思えばなんでもっと早くに気づかなかったのか、自分でも不思議です。
が、気付いた時にはもう遅い。歳は35になってしまっていました。そして、今更してもしょうがない後悔をまたします。
当然、何も考えず過ごしてきたので給料もさほど変わらず、ここから上がる可能性も低い。
追い詰められると人は何をしでかすか本当にわかりません。「もう美容師はダメだ。転職しよう。」とおもいましたよね。当然美容師しかやってきていませんので、自分が何をしたらいいのかもわからない。
自分から美容師を無くしたら何が残るのか、を初めて感じた瞬間でしたよね。何も残らない事を受け止めるしかありませんでした。
転職サイトに登録してわかった自分という人間の価値
35歳、ギリギリ。初めての転職サイトというものに登録しました。3つか4つは登録しましたよね。もう、毎日毎晩、転職サイトで募集を探していました。
そこでも初めて知ったんですよね。大卒がスタートライン。専門卒なんか、クソ扱いですよ。いくら探しても『不動産営業手取り22〜23万』が良いところです。
『職務経歴書』も初めて作成しました。一般の社会人の方ならご存知ですよね?たぶん美容師で知っている人はあまりいないと思います。その辺も改めて美容師って世間を知らねーんだなぁって思った瞬間でしたよね。
『職務経歴書』って自分が今まで仕事をしてきた中で何を学び、結果に結びつけたか、みたいな事をみっちり細かく書くんですけど。
そこで改めて書いてみて気づきました。美容師って意外と色々な仕事内容をやってるんだって。
見ず知らずの赤の他人に『接客』そして『営業』をします。そして、諸々の『技術』。後輩への『教育』『コミュニケーション』。『売上管理』や『お店全体のマネージメント業務』。『採用の面接』や『人事』なんかも携わっていたんですよね。
そんな事に気付きつつ転職の手続きをやっていました。何社にも応募をだします。が、もちろん書類で落とされます。
どんなに色々な経験、教育、マネージメントに携わってきたとしても面接すらこぎつける事ができません。今まで美容師しかやってきていない中年に用は無いといったところでしょうか。
唯一の収穫
唯一救いだったのは親身になって相談に乗ってくれたエージェントさん。どうして転職したいのか?今のどこが不満なのか?どんな職につきたいのか?色々なことを話しました。
というよりも聞いてくれたと言った方が正しいかもしれません。色々と聞いてもらううちに1つの答えが見えてきたのでした。
ちなみに私が相談したのは『マイナビエージェント』。エージェントと名前が付くだけあってしっかりと対応してもらえました。
美容師、かな。やっぱり、、、
人は直感を信じた方が良い方向に行くことが多い。誰かがそんなことをいっていましたが、私の場合は直感ではなくただ漠然とした『焦り』で転職をしようとしていました。
現実を知れば知るほど社会の厳しさを痛感する日々。そして転職活動、ぜんぜんワクワクしないんですよね。
やっぱり美容師しかない。そんな気持ちが湧き上がってきました。
自分の正直な気持ちに従う
人は迷いがあったり、誰かに与えられた目標だったりのなかで行動すると、とりあえずはやったり、達成もできたりします。が、疲労感がハンパないんですよね。
なので言われたことと自分がやりたいことが一緒ならベストです。もし違っていたらだんだんと心が疲弊してきます。そして病気になります。
その解決法はひとつ。自分の正直な気持ちに従ってやりたい事、目標を決めるだけです。
これは一生できない人もいますし、やりたくてもできない環境の人もいます、やりたい事がわからない人もいます。途中で気づく人もいます。なのでみんなができることではないです。
でももし、自分の正直な気持ちに気付いていたのだとしたらなるべく早くそっちの目標や夢に向かってほんの少しでもいいので動くことをおすすめします。
まだまだ実現していない
残念ながら私はまだ自分のやりたい事を達成できていません。気付いて行動を起こし始めたところです。
一歩ずつ歩んで行くことにしました。不思議なもので自分で本当にやりたい明確な目標があると身体もメンタルも疲れ方が違う。そして疲れていても、それに向かいたくなってしまう。そんなものですよね。
不安もめちゃくちゃありますが、それと同じくらいのワクワクを感じます。『不安まみれで動くのか、楽しそうまみれで動くのか』という言葉があります。そうなんですよね、忘れていました。
最後に
まとめるも何も無いのですが、自分自身の整理のためにもこんな記事を書いたわけでありまして。
読んだ方の何かプラスになれば幸いですし、これからも節目でこんな記事を書いていければと思います。
今の時点で言えることは、自分の心に正直に、行動すると協力してくれる人が何故か現れるし、そういう事柄が起こる。
自分が将来こうありたいと思う成功者のお話を聞く、自分の周りになるべくそうゆう人をいっぱいおく(そうじゃない人の話は聞いているとマイナスのイメージばっかりになる)
それでは。
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モリイズミ

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